ミノーでは特に大事。ルアーの固定重心、重心移動って一体なんなのか?マグネット方式、ワイヤー方式、AR-Cなど。

マグネット重心移動システムのルアー内部イメージ 釣り関連
マグネット重心移動システムのルアー内部イメージ

ルアーの内部にはウエイト(錘)が内臓されているものがほとんどです。ウエイトが無いとルアーを安定的に泳がせることが難しいからです。私も最初はよくわかりませんでしたが、内部が透けて見える透明のルアーを見るとウエイトが各所に設定されているのがよくわかります。一口にウエイトと言ってもルアーによってその形式がいくつかあります。大きくは固定重心型と重心移動型の2つに分かれます。とくに重心移動型はいくつかの種類があるのでその特性を知っておくと釣果アップ?につながるかもしれませんよ。

固定重心

固定重心は昔ながらのウエイト方式です。固定という名のとおりルアー内部のウエイトは固定されていて大きくは動きません。

代表的なルアーは、ラパラCD7やCD9、ラッキークラフトのビーフリーズなどです。

リップの付いているルアーでは一般的に飛距離があまり出ませんが、着水直後からルアー本来の動きを引き出せ(所謂、立ち上がりが良い)、ルアーにアクションを加えても簡単にはバランスを崩さないという特徴があります。

また、静粛性が高く、ウエイトの移動音による騒音が少ない(サイレント)ため魚に音によるプレッシャーをかけたくない場合に重宝します。

固定重心のルアー内部イメージ
固定重心のルアー内部イメージ

重心移動システム

重心移動システムの目的は何んといっても「飛距離」を稼ぐ事です。重心移動システムはメインウエイトがルアーの前方(頭側)と後方(お尻側)に大きく移動する機構を持ったウエイトシステムです。キャスト時にはウエイトがルアー後方に移動して飛距離を稼ぎ、着水してからウエイトを前方に戻すことによって泳ぎのバランスを保つという仕組みです。いまでは当たり前のように搭載されている重心移動システムですが、これを最初に発明したのはタックルハウス(K-TEN)です。

マグネット方式

タックルハウス(K-TEN)が発明した重心移動システムの原型。ウエイトは丸い球状のものがほとんで、ウエイトルームを転がせて重心を移動させます。ウエイトルーム前方にはマグネットが配置されています。マグネットはキャスト時に後方に移動したウエイトをその磁力によって前方に引き寄せる効果とともにウエイトを吸着させて後方に移動させにくくしています。

本家TKLMやTKRPなどに搭載されています。

下はマグネット重心移動システムの簡単なイメージ図です。実際は移動するウエイトが複数個入っているものもあります。

マグネット重心移動システムのルアー内部イメージ
マグネット重心移動システムのルアー内部イメージ
マグネット移動重心システム:キャスト時のルアー内部イメージ
マグネット移動重心システム:キャスト時のルアー内部イメージ
マグネット移動重心システム:ウェイトを戻した際のルアー内部イメージ
マグネット移動重心システム:ウェイトを戻した際のルアー内部イメージ

ノーマル方式

ノーマル方式はマグネット方式のマグネットなし版です。一度前方に移動させたウエイトを後方に移動させにくくするためにウエイトルーム前方が一段低くなっている構造が多いです。

コモモやサスケなど多くのルアーに搭載されています。ウエイトルームの構造によってはウエイトが後方に戻りやすいのでルアーを激しく動かす釣りには注意です。

下はノーマル重心移動システムの簡単なイメージ図です。実際は移動するウエイトが複数個入っているものもあります。またウエイトルームの形状は下の図のように水平直線的ではなく傾斜が付けられていたり工夫が凝らされているものが多いです。

マグネット重心移動システムのルアー内部イメージ
ノーマル重心移動システムのルアー内部イメージ
マグネット重心移動システム:キャスト時のルアー内部イメージ
ノーマル重心移動システム:キャスト時のルアー内部イメージ
ノーマル移動重心システム:ウェイトを戻した際のルアー内部イメージ
ノーマル移動重心システム:ウェイトを戻した際のルアー内部イメージ

ワイヤー方式

重心移動システムの発展形。ウエイトがワイヤーで吊られている構造のため、ボディにウエイトが当たらず静粛性に優れています。ただ幾分ウエイトの戻りが良くないため、着水時にウエイトをしっかり前方に戻すという意識が必要です。

主にダイワのショアラインシャイナーシリーズやジップベイツのザブラシステムミノーなどに搭載されています。

下はワイヤー式重心移動システムの簡単なイメージ図です。実際はワイヤーや移動するウエイトが複数個入っているものもあります。下の図のウエイトは円柱型をイメージして書きましたが球体のものもあったり、またワイヤーは水平ではなく、下から上に斜めに張られているものもあります。

ワイヤー式重心移動システムのルアー内部イメージ
ワイヤー式重心移動システムのルアー内部イメージ
ワイヤー式重心移動システム:キャスト時のルアー内部イメージ
ワイヤー式重心移動システム:キャスト時のルアー内部イメージ
ワイヤー式重心移動システム:ウェイトを戻した際のルアー内部イメージ
ワイヤー式重心移動システム:ウェイトを戻した際のルアー内部イメージ

AR-C

ワイヤー方式の発展形。シマノ特有のシステムで、ワイヤー方式の静粛性とバネの力で確実にウエイトを前方に戻す(オートマチックに)ということを両立した重心移動システムの究極系なのではないかと思います。

AR-Cシステムはサイレントアサシンなどシマノ製ルアーに多く搭載されています。

下はAR-C重心移動システムの簡単なイメージ図です。

AR-C重心移動システムのルアー内部イメージ
AR-C重心移動システムのルアー内部イメージ
AR-C重心移動システム:キャスト時のルアー内部イメージ
AR-C重心移動システム:キャスト時のルアー内部イメージ
AR-C重心移動システム:ウェイトを戻した際のルアー内部イメージ
AR-C重心移動システム:ウェイトを戻した際のルアー内部イメージ

最後に

今回は、各ウエイト方式について紹介しました。一口にルアーと言っても色々あるんですよね。その構造を知っておくとルアーさばきが変わって釣果アップなんてこともあるかもしれませんよ。

私個人的には、固定重心と重心移動ならマグネット方式とAR-Cが好きですね。固定重心は近距離でのアクション重視の釣りで。なにより固定重心のサイレント性が好きなんですよね。移動重心は本家タックルハウスのTKMLやTKRPなどが最高に出来が良いように感じます。キャストした先で「ウエイトが戻っていないかも?」と思ったことが一度もないほどウエイトの移動がスムーズ極まりない。AR-Cはこれに付け加えてサイレント性がいいですね。

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